専門的な知識や研究内容ではなく、広く学びに携わる・携わった「人」に焦点を当て、どのような経緯を経て今に至るかといったことを探る記事カテゴリー、それが「アカデミックインタビュー」!
第1回目は現在(2016年10月)、博士課程で国際政治学を研究なさっているT.Oさんに
- 国際政治学の魅力
- なぜこの分野で研究するようになっていったか
などについてお聞きしていきます。
Profile

T.Oさん
論文:「国際貢献」・「国益」における言説分析、自衛隊派遣に関する政治運動の分析 etc.
出身:長崎
好きなスポーツ:サッカー
研究分野-国際政治学とは何か






研究対象-政治における言説分析







とすると修士の時は「国際貢献」に着目して、博士である今は「国益」って言葉が政治の現場でどのように使われて、実際にどう影響を与えたのか?ってことを見ていったのですね。
国際政治学の分野に進んだ理由


そういった経験から漠然と国際政治に興味を持っていったのが最初かな。


サッカーをずっとやってて当時は読書も大してしてなかったから(笑)


そんなこんなで大学をきちんと選べるほどの知識がなかったから、大学はとりあえず幅広くなんでも学べそうな国際系の学部に進んだんだ。




「あっ、こういう見方からこういう風に言えるんだ。」
「あっ、こっちからはこういう風に言えるんだ。」
ってのが積み重なるだけでそれ以上でもそれ以下でもないみたいな感覚。


大学時代に感じたモヤモヤから今の研究へ




それぞれの学問がいろいろあるけども、何でもありといったような各々の主張が各分野で乱立されていて、そこで残った違和感が
「それぞれの主張の違いってどこにあるのか?」
「その学問に影響を受けてきた人たちはなんなのか?」
って部分で、そこに一番合ったのが「政治」だったんだよね。



お話を聞くといろんな観点から切り込んでいけそうだなって思ったのですが、「どの分野からやればいいんだろう?」みたいな迷いはあったんですか?



それよりも自分の問題関心がどこにあって、どの分野で一番その問題を表現できるかって部分にこだわった方がいいこともあると思う。
国際政治学から研究をしていく魅力


取り上げる対象だとか事象、僕の場合であれば「国際貢献」だとか「自衛隊派遣」に関することを解釈して自分なりに意味づけしていくための文脈として利用してやれ!
くらいの感覚かも。





最後にこれから学びを深めていきたいという人に何か一言ありますでしょうか?


T.Oさんによるおすすめ本


インタビューを終えて
終始、落ち着いた様子で質問に答えていくT.Oさん。国際政治学のみならず、幅広い知識から「自分」なりの問題意識を持ち、解決するための問題設定をし、型にはまらずに分析に取り組んでいこうという姿勢を随所に感じる取材でした。
人文・社会科学分野において特にこれからどのような学問を専門として身につけていこうか悩んでいる大学生にとって、示唆に富むお話だったのではないかと思います。
学問だけではなく、それを行う「自分自身とはなんなのか?」といったことを同時に考えさせられたのでした。
「国際政治学」をもうちょっと知りたいと思った方はぜひこちらの記事もお読みください。
[…] 国際政治学の分野で言説分析を用いた研究を行う先輩に「自己責任」のディスコース研究をしていく上での相談をしていた際に紹介してもらった仁平典宏(2011)『「ボランティア」の誕生と終焉 <贈与のパラドックス>の知識社会学』を読み終えたところ、広義のディスコース研究の理論・方法論の視座を勉強しつつ練り直そうとしていた自分にとても勉強になる本だったので雑記として簡単にまとめる。 […]