「学問」を学ぶということはその深淵さから、「深く学ぶことで逆に自分の学びの浅さを知る」と言われるように、「分からないことが分かる」ということが一つの基準とも言える。
けれど、細部は最新の研究やこれからの継続的な議論を通した発展が必要とは言えど、各学問が「学問分野」として共通して語られうるようなディシプリンは確かに存在する。
Share Studyの「学問入門」は、そんなディシプリンを高校生や大学生をはじめとした初学者向けにということを免罪符に、思い切ってまとめて紹介するカテゴリーです!
「学問入門」の狙い―研究分野のディシプリンを整理する
「学問」というものを捉えるに当たって、ざっくりと「専攻」として語られている大まかな分野名と「専門」として対象領域として設定されている細部を知ることで比較的分かりやすく知ることができます。「学問入門」で整理する目的は、自分の専攻や専門とは異なる分野を捉える際の大まかな基準となるディシプリンを知るために必要最低限な知識や思考のフレームワークがなにかを知ることです。
グローバル時代には文理の壁を越えた「学際交流」を通して地球規模の課題に取り組むことが重要だということはさまざまな文脈で連呼されてますが、実際に研究を通して学びを深める中で、分野をまたいだ研究として成果をあげることはそう簡単ではありません。研究の土壌にあげるためには、少なくとも、「人文学/人文科学」「社会科学」「形式科学」「自然科学」「情報科学」などなど、大まかな特徴を掴みつつ、微妙に重なる研究対象の領域や問題意識を共有することが重要でしょう。
つまり、専門的な知見の共有以前に、まずはそれぞれの研究分野として開拓されてきた問題意識を知ること、その分野を発展させてきた研究者カテゴリーの特徴などなど、何を問題関心としてどのように取り組んでいるのかを捉えなければ、単なる机上の空論として文理融合や学際研究なるものは終わってしまう可能性が否定できないということです。
そこで、知的好奇心旺盛な高校生や大学生をはじめとした読者を主な対象とするShare Studyでは、細かな専門知識を”正確に”伝えきることを目的とするよりも、あくまで各学問分野が持つディシプリンや研究者の特徴を整理することを狙いとして「学問入門」カテゴリーの記事を執筆しています。
実際、複雑怪奇さが増しているように思われる昨今の世界的な状況の中で、こうした前提となる知見を共有することで思わぬ視野が広がり、新たな研究として成果を発揮する可能性が開けてくるのではないでしょうか?
ちょっとした積み重ねや偶然の出会いが、新しい何かをもたらすような、そんな地道ではあるけども刺激的な面白さが、Share Studyを通して芽生えれば幸いです!