イベント開催背景と趣旨
学際交流は重要だと叫ばれる中、実際に研究者同士の交流が活発に行われているとは言い難いのではないでしょう?
2015年に起きた「文系学部廃止論争」や日々のニュースでも見られるように、「学問そのもの」や「学問の意義」などは、専門性の中にかき消されてしまいがちです。
そうした状況はそれぞれのポジションの外に出ていきにくい空気感をどこかに生み、結果として多角的な視点が欠けてたり、多様性を認めないようなポジショントークになってしまうのでは…?
もちろん、「人」は生まれた瞬間に両親の子として生まれるポジションを持ち、地域・国・人・文化・社会などといった環境に影響されてしまいます。
➡言語によって思考が決まる?言語相対論/言語決定論/サピア・ウォーフ仮説における意味の違い、批判、経緯
ですが、少しでもそうした状況を打破していく努力をする必要がある場合もあるのではないでしょうか?
そのためにはどうするか?それは、それぞれの前提をすり合わせることであり、そのためにもお互いの理解を促進することではないでしょうか?
それぞれの学問のディシプリンやフィロソフィーを理解し、さらに学問をしている「人」そのものに焦点を当ててみる。そんな大それたことを考え、立ち上げたのが『Share Study』であり、その一環として企画されたのがこの『分野の垣根を越えた「人」の輪を広げるACADEMIC PARTY!』です。
今回の企画趣旨に応じ、パネルディスカッションの登壇者として集まってくれた分野の異なる大学院生5名の方と企画パートナーとして応援して頂いている先生にインタビューを行いました。
それぞれがどのような研究や活動を行い、どのような背景のもと今に至るか、ぜひご覧ください。
パートナー:筑波大学システム情報系助教大澤博隆さん(人工知能、ヒューマンエージェントインタラクション)
人狼ゲームを中心とした人工知能研究やヒューマンエージェントインタラクション分野にてロボットと人のコミュニケーションを題材とした研究を行う大澤さん。
非常に多岐の渡る研究をなさっていらっしゃいます。
登壇者:現代語・現代文化専攻博士課程H.Sさん(芸術史)
植民地主義の影響から端を発したプリミティヴィズム、とりわけ日本におけるプリミティヴィズムの研究に取り組むH.Sさん。
とあるボランティアに参加したことから自分なりの視点を見出し、研究に至った背景に着目!
登壇者:国際政治学博士課程T.Oさん(言説分析)
国際政治学分野にて、言説分析を主に行っているT.Oさん。
研究するに至った背景に潜む問い、「学問とはなにか?」。そして、あくまで研究が楽しいから行うT.Oさんの学問に対する眼差しは必見です。
登壇者:生命科学博士課程宮本道人さん(神経科学、評論家)
ショウジョウバエの幼虫をモデルに神経回路を研究する傍ら、評論家としても活躍する宮本道人さん。
「現実とはなにか?」という問から始まる宮本さんのさまざまな活動、そのヒストリーに注目!
登壇者:コンピューターサイエンス修士課程長城沙樹さん(ソーシャルメディアマイニング)
情報科学分野であるコンピューターサイエンス、特にビッグデータの回析などを扱うテキストマイニングを行う長城さん。
「誰かのために」という長城さんならではの思いから研究分野へと繋がるその過程を追いました!
登壇者:サイエンスあそびテーター小幡哲士さん(科学技術メディア論)
一般向けの科学ショーを数多くこなしながら、科学技術に関するコミュニケーションのやり取りを分析する研究を行う小幡さん。
東大で物理学を主に学びながらも大学院進学に当たって社会科学分野に転じた小幡さんならではの思考の切り替わり、要注目です!
最後に
このような異なる分野にて研究に従事する方々が一同に集まってくれるということで、今からイベント当日がとても楽しみです!
冒頭にて述べたように、確かに問題意識を持ってこのサイトの運営や企画を練っていますが、当日はなんといっても「楽しい!」会にできたらと思います。
自分の想像していなかったような世界観を持つ「人」が出会うことで、どんな化学反応が起こるのでしょうか?
学問の「遊戯性」に着目して、ワクワクしてしまうような出会いの場になることを願って企画を行わせていただきたいと思います。
奮ってのご参加、お待ちしております。
イベント詳細&申込ページ
日 時: 2017年1月21日(土) 17:00~19:00
場 所: BiViつくば2F交流サロン&筑波大学サテライトオフィス(つくば駅から徒歩5分)
参加者:知的好奇心旺盛な方、誰でもWelcome!
参加費: 無料 (終了後の懇親会2000円 ※予定)
参加数: 先着30名
※ 『ACADEMIC PARTY』終了後の19:30から、つくば駅付近の飲み屋にて懇親会を行う予定です。そのため、高校生は参加できません。