「レポートと論文の違いって何?」と大学の後輩や子どもから質問されてもペラペラっと答えられたらちょっとかっこよく映るかもしれない…
実際、どう違うのかと聞かれてパッと答えられる大学生はどれだけいるのでしょう?
大学における最終ゴールとも言える論文作成。そんな論文作成をこれからいざするとなった方へ、レポートと論文の違い、教えます。
記事のポイント!
最初にざっくりとした結論を述べると、
- レポートとは与えられた課題に対して情報整理をし、必要に応じてまとめた上での感想・意見などを述べるもの
- 論文とは学術的な価値のある発見を説得的に論じ、一定の書き方・方法論・構成に沿って作られたもの
というわけでレッツ・シェアスタ!
レポートの特徴
大学では高校までとは違い、作文ではなくレポートという形で様々な課題が出されます。
もちろん、高校でもレポート課題が出される場合もある。
そう、レポートの特徴の第1点はあくまで授業といったある特定の話題に関連したものを取り上げるということです。
ということはつまり、あくまで中心的な話題は授業になります。
その授業内容から逸脱するような内容などはあまり求められません。
なぜなら、レポートは授業の理解深度や課題に即した情報整理を経験するためにあるからです。
資料レポートや実験レポートといったように様々なタイプのレポートがありますが、どれも授業に即したものなどを上手にまとめ上げることが重視されています。
論文の特徴
一方、論文では情報整理をする能力はあまり重要視されていません。なぜなら、論文で求められるのは学術的な価値のある新しい発見を説得的に論じることにあるからです。
1. 学術的な価値のある新しい発見
学術的な価値のある新しい発見とパッと聞くといったい何を意味しているのかがわかりづらいかもしれません。
これは要するに、既存のことをダラダラと説明してもそれを読む研究者にとってはあまり意味がなく、それはあくまで新しい発見をするための前提知識であって研究者が知りたいのは未だ知られていないような創造性のあるものだということです。
2. 説得的に論じるということ
そして、レポートと異なって重要なのは如何に説得力を持って自分の論理を展開できるかということです。
論文では課題が与えられるのではなく、自分でいくらでも好きに問題を設定することからスタートし、設定した問題に応じてどのように調査や実験をするかといった方法論を定める必要があります。
その方法論をなぜ選んだのか?
どのような調査・実験結果が得られたのか?
その結果にはこれまでの研究とどのような違いがあり、どのような価値があるのか?
といったことを詰めていく作業を全体を通してする必要があります。
3. 論文には必ずといっていいほどある先行研究
特に論文を書く上できちんと先行研究を調査することがとても重要です!
先行研究ですでに書かれていることがあるならまずそれらを参考にすることができるし、「1. 学術的な価値のある新しい発見」でも書いたように同じことを書いてもあまり意味がありません。
大学で授業をして学ぶことの意味とはそうした前提となる知識を得て、先行研究を読み解く力を身につけることにあるといっても過言ではありません。
4. 書き方の型がある程度定まっている
レポートと異なる論文の特徴としては分野によってある程度の型が存在します。
なぜなら、論文はあくまで研究者同士のコミュニケーションツールです。
例えば、先行研究の引用の仕方や図の挿入方法などいったものは研究分野や各教授毎に型が定まっており指定されている場合がほとんどです。
また、コミュニケーションをする上で、似た研究同士が新しい価値を発見し説得的に論じていくにあたって、どのような調査・実験がこれまで行われ、それらを追い抜いていくのかといった型はある程度共通とした土台がすでにある場合が多いのです。
つまり、まずはそうした型を知ることが論文を書くポイントでもあるということですね!
まとめ-論文は研究者同士のコミュニケーションツール!
レポートにおいては先生と生徒によるやり取りをするものですが、論文では上下の関係はなくあくまで学術的であるか否かが問われます。
誰に向かって文章を書くかによってその内容や書き方といったものが変化するように、レポートと論文における違いも大きくその点によって異なってきます。
やや抽象的で分かりにくいと感じるかもしれません…!
それぞれレポートの書き方、論文の書き方を別の記事にて具体的にまとめます。
ぜひ、そちらもご確認ください!