筑波大学国際総合学類で培った視点ー国際協力の実践母体としての学生団体

みなさんこんにちは、2019年現在、筑波大学国際総合学類に所属しているひらっちです。

様々な方法で活躍する人が揃う筑波大学の国際総合学類には、自分で海外ボランティアをしてみたり、外部のスタディーツアーに参加して途上国に行ってみたり、各々が思い思いに活動している印象があります。

かくいう僕も大学4年次に1年間の休学をし、ケニアで教育系NPOのインターンを行っていました。下記はインターン中にShare Studyで執筆した「住民参加型学校運営」に関する概説記事です。国際教育開発に興味のある方、よかったら読んでみてください!

そんなケニア帰りの直後に国際総合学類における同期の卒業式を迎えました。地方から出てきた僕にとって考えられないようなバックグラウンドを同期の友人たちは持っており、高校生の時から活発的に活動していることにとても驚いていたのを覚えています。

そんな僕も、周りに影響され学生団体に入り学生生活の多くをこれまで割いてきました。

そこで今回は、僕がやってきた主な活動である「国際協力」分野にフォーカスし、筑波大学国際総合学類の学生団体に着目してみようと思います。

ポイント

  • 国際協力系学生団体の多さ
  • 目的と活動への違和感
  • 変わる学生団体の性質-生産される団体から消費される団体へ?

ひらっち

Share Study編集部。もののカタチやバランスに惹かれてしまう気まぐれな大学生。大学1年の夏にアフリカ大陸のマラウイ共和国へ渡航、その経験を原動力に現在は教育学を学ぶ。人と人との考えのシェアを通して、学びの限界を取っ払うことを目指している。

国際協力系学生団体の多さ

国際協力という用語は、その意味するところが往々にして広いのですが、ここでは国際協力系学生団体を、途上国を含む日本国外に対する働きかけも志向している団体を指すこととします。

国際総合学類には、入学生の国際問題への関心が高いこともあり、国際問題の解決や議論を志向する学生団体が様々あります。

スポーツを1つの軸に活動を展開する団体や、途上国での活動を含む団体、また国内において難民支援や、様々な国際問題を議論する団体も存在します。

学生はそんな幅広い選択肢から、自身の興味関心に合わせて、自分の関わりたい学生団体を見つけていきます。新歓期には国際協力系の学生団体が一堂に会する「新歓セミナー」のような会も開催されるんです。

僕も入学したての頃、既存の学生団体の活動を聞いて回っていました。

目的と活動への違和感

新歓期も終わりに差し掛かる頃、どの学生団体が自分に合っているのか考えながらも違和感を覚えました。

というのも、それぞれの団体がそれぞれの団体理念を話してくれるのですが、その理念と実際の活動のつながりがいまいちピンと来なかったからです。

僕が入学したころは、どの学生団体も決して設立されて間もない団体とは言えず、完全に創設期のメンバーがいなくなっている団体もあります。

正直、なんとなく取り組んでいるテーマは理念から伝わってくるけど、内実は全然実感が湧かないなという感想しか抱いていませんでした(今考えると生意気だったなと思うのですが笑)。

それもそのはず、学生の本分の1つは勉強であり、また学費を自分で払っている人はバイトをしながら学生生活を送る必要があります。多くの人はあくまで「課外活動」としてしか学生団体には携わっていないケースが多かったのです。

「何かを初めから立ち上げて続けてみる、その時、創設時の理念はどのように受け継がれていくのだろうか」、と疑問に思ったこともあり、僕自身は結局既存の学生団体には属せず、新たに学生団体を作ってみることにしました。

変わる学生団体の性質-生産される団体から消費される団体へ?

国際総合学類には様々な学生団体が存在しますが、設立から時間が経つにつれて、大体は「代替わり」というイベントを迎えます。

1年生で学生団体に入っても、長くて3年もすれば1つの区切りを迎えます。

各メンバーの在籍時間が短ければ、よほど世代間のコミュニケーションをうまく行わない限り団体の長期的な視点に基づいた活動もしにくくなるのではないかと思います。結果的にメンバーは「自分が執行代となるこの1年スパンで完結する」活動に基づいた小さいサイクルを繰り返すのではないかと思います。1年間という規格に収まる活動計画が繰り返されるのです。

初めての代替わりを迎える前に団体の活動の重要性・背景やその活動対象への「効果」が説明できるほど団体がカチッと固まっていなければ、団体としてどういった活動をすれば良いのか分からないこともあるでしょう。実際、他になる人がいないから等、どちらかといえば消極的な理由で重要なポジションになる人もいます。

誤解を恐れずに言えば、国際総合学類の学生団体は、勢いを持った学生が行う様々な活動を通し団体そのものが「生産・更新されていく」段階から、代替わりを繰り返した結果、ある程度活動の枠が固まった団体で出来る経験をメンバーが「消費する」段階へとシフトチェンジしているのだと思います。

「課外活動」として活動を行う学生と「代替わり」というシステムによる学生団体の性質の変化は、どの大学の学生団体でも言えることなのかも知れません。

次の記事では、僕の学生団体時代の経験から、インターンの経験などをご紹介します。

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