木村すらいむの活動―「文脈をつなぐ」/ネット文化の探究

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

前回の記事では、『2ちゃんねる』のネット文化が、僕の進路や仕事、人生の歩み方に大きな影響を及ぼした、という話をしました。

今回は、ネット文化を紹介するサイト「文脈をつなぐ」の活動を、簡単に紹介したいと思います。

「文脈をつなぐ」、ネット文化とは

「文脈をつなぐ」は、インターネット上の流行・言葉・文化を調査し、その元ネタや初出をわかりやすく解説するサイトです。

もとは個人ブログでしたが、2016年頃に「文脈をつなぐ」としてスタートしました。2018年時点では累計約500記事を執筆し、読者数としては月間で約70万ページビューを記録しています。

タイトルの「文脈をつなぐ」を思いつくきっかけは、2015年の紅白歌合戦で、小林幸子さんが『千本桜』を歌っていたことでした。

『千本桜』は、2011年にニコニコ動画で発表された曲でした。ボーカルには音声合成ソフトの「初音ミク」を使った、いわゆるボカロ曲です。和のテイストと覚えやすいメロディーがネットの一部で人気となり、2015年にNHKで小林幸子さんにカバーされるに至ったわけです。

この曲が生まれた背景には、2008年頃から生まれたニコニコ動画の「初音ミク」の文化、ボーカロイド(ボカロ)文化があります。この文脈を知っていれば、紅白歌合戦での歌唱はより楽しめるものになったと思います。

「初音ミク」のはじまりについては、記事を書いて紹介しています。

インターネット発の文化は、ほかにもたくさんありますが、最近人気で知名度があるのは、バーチャルYouTuber(Vtuber)でしょうか。

バーチャルYouTuberは、YouTubeなどの動画サイト上で活動する、まるで人間のように動き表情を変えるキャラクターの総称です。

2017年末にネット上で爆発的に話題になり、現在もその盛り上がりは続いています。テレビに出演するバーチャルYouTuberも増えてきて、2019年1月には「NHKバーチャルのど自慢」が放送されました。

「文脈をつなぐ」は、ブーム初期である2017年12月からバーチャルYouTuberに注目し、2018年4月には「バーチャルYouTuber文化論」という7万字の入門記事を書きました。

この記事がきっかけで、雑誌「ユリイカ」に「バーチャルYouTuberミーム論」という文章を寄稿させていただきました。

キーワードは「ミーム」と「スラング」

ネット文化といっても、さまざまな世界があります。「文脈をつなぐ」は、「Twitter」「ニコニコ動画」「2ちゃんねる」といったプラットフォームに特化しています。

ネット文化を知るために、僕がキーとしているのは「ミーム」と「スラング」という概念です。それぞれ簡単に紹介します。

ミームとは

ミームとは、インターネット上で流行する画像や動画、言い回しのことです。英語圏で生まれた言葉で、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。

例えば、2016年に流行した『PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)』は、典型的なミームと言えます。

あの動きと音楽が中毒性を生み、ネットユーザーが真似したり拡散したりすることで人気になっていきました。流行のきっかけは、ジャスティン・ビーバーさんがツイートしたことがきっかけと言われています。

https://twitter.com/justinbieber/status/780860684426895360

ミームは数えきれないほど存在していて、あらゆるミームを紹介する「KnowYourMeme」というサイトがあります。

また、英語圏ではミームが研究の対象となっています。

英語圏で流行るミームと、日本語圏で流行るミームは、『PPAP』のように共通することもありますが、別物であることの方が多いです。

「文脈をつなぐ」は、日本語圏における「KnowYourMeme」となれるよう、サイトを充実させていきたいと思っています。

スラングとは

スラングは、日本語で言えば俗語のこと。世間一般で使われるわけではなく、ごく一部の集団で使われる言葉です。特に、ネットスラングに注目しています。

「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」など2ちゃんねる用語、LINEを通じて広まった「まじ卍」、笑い(w)を意味する「草生える」などが有名でしょうか。

スラング、あるいは若者言葉は、ミームに比べて日本語の研究が充実していますね。

とはいえ、研究のレベルでは2ちゃんねる用語やケータイ用語など2000年代のものが多いのです。「文脈をつなぐ」は、特に2010年代のネットスラングに注目していきたいと思っています。

ネット文化を知るなら「文脈をつなぐ」

長々とお話しましたが、実際に「文脈をつなぐ」を見ていただけると、今までのことが直感的に理解できるかと思います。くだらないネタが多くて、驚くかも知れません(笑)

ネットで新しい「何か」が流行っているのを見かけたら、ぜひ「文脈をつなぐ」をのぞきに来てください。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。こちらもおすすめ

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