今、人生を楽しんでいますか?人生について考えたことはありますか? あなたにとって人生とはなんでしょう? 大学に入って、中学・高校のときよりも就職や大学院進学など人生について考える機会が増えたのではないかと思います。私の場合、中学を卒業したら高校に行って、大学に入るのが当たり前でその流れに逆らうことなく、大学生活を送りました。 しかし、大学に入って様々な人に出会い、その方々の人生を聞くうちに、世の中に「当たり前」というものはなく、自分次第で生き方は変わるということに気づきました。

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ADVENT CALENDAR 2019―11日の投稿

12月1日から24日までクリスマスを待つまでに1日に1つカレンダーを空けるという風習に習って、記事を投稿するイベント、それがADVENT CALENDAR!
パン屋さんから研究へ
在学中のあるパン職人さんとの出会いは私にとって大きな転機となる「?」を与えてくれました。 その方がパンを焼いていたので、なぜおいしいパンが焼けるのか気になり尋ねましたが、答えを教えてもらえず、働いたらわかると言われました。そこで帰国すると同時にパン屋の上に住み、そのパン屋でアルバイトを始めました。しかし、なかなか理解ができませんでした。大学4回生のとき、私は大学院でこのまま研究を続けるかどうか迷いました。 しかし、「なぜパンはおいしく焼きあがるのか?」という疑問を解決したいという思いと、お金を貯めてまた自分の学びに費やそうという考えから大手のパン屋に就職しました。そして、解決して納得したため、現在、大学院で研究をしてます。すべて最良の選択だったと今は思えます。
「?」を見つれば人生は楽しくなる
大学で研究をするとき、まずResearch Question (RQ)=世の中に対する「?」つまり、問いかけを探します。 自分が調査する問いかけをまず決め、そして、調査・分析・考察し、結論を見出す。これが、研究なのですが…。この研究こそが人生をおもしろいものに変える鍵です。なにも学者になれということではありません。 日常の中には「普通」が溢れています。 ただそれは「普通と思い込んでいるもの」にすぎないのです。小さかったころ知らないことがいっぱいでいろいろなことが新鮮で、自由に楽しんでいませんでしたか?大人になるということは、経験や知識を増やし、「普通」を受け入れることなのかもしれません。しかし、経験や知識を増やすと同時に、その経験や知識を活かして更なる新鮮な経験を得ることもできるのではないでしょうか?
「?」の見つけかた
では、RQをどうやって見つけますか? 私が提案する方法はこの4つ。 ①自分の経験をふり返る ②物事を批判的にみる=物事を疑って見たり聞いたりする ③先行研究をみる=これまでに行なわれた過去の人が書いたり言ったりしたものをみる ④人と話す これは研究のときだけでなく、生きていく中でも使える考え方なのです。 例えば、まず、 ①これまでの経験をふり返ってみます。学校の校則で、男子は髪の毛が耳にかかっちゃダメ!女子は肩にかかっちゃダメ!とかありませんでしたか? ②これは校則だから「普通」でしょうか? ③この校則に対する事例はないのか?ネット検索で「校則 男女」と調べるとたくさんの記事が出てきます。 ④このことについて、人と話す。話すことで自分の考えが整理されたり、相手の意見からヒントをもらえたりします。 そして、「校則を男女別で分けることによるメリットはあるのか?」というRQにたどり着きます。そして、調査して、結論を導き出します。もしかしたら、この過程から得た考えが身近なところで誰かの役に立つかもしれませんし、自分が元々もっていた考えが変わるかもしれません。
おわりに
これはほんのひとつの例です。日常にもたくさんの「?」があります。「どういう人を日本人っていうのだろう」とか「売れる商品の傾向はなんだろう」とか。「?」が溢れています。 自分の興味のある「?」を見つけられない、気づくことができない人もたくさんいます。しかし、身の回りのおもしろい疑問を見つけ、「?」を「!」に変えていく、この過程を大学では経験できる機会が多くあるはずです。人生というものに悩んだら、まず今見ている世界に「?」を抱くことで見る角度を変えてみてください。そして、「!」にしようと一生懸命になることで、「!」になったときふり返ってみると、人生はおもしろいといえるのではないでしょうか。